1980年中国天山の高地にて。ボゴダ山の高地と氷河を探検した初めての西洋人となったボブ・リー。
1965年のブランド創設以来、ハンティング・ワールドのロゴマークは、「牙のない仔象」をモチーフにしています。これは自由と蘇生のシンボルであり、幸福のしるしでもあります。 このロゴマークには、ハンティング・ワールド創設以前の長い年月をアフリカで過ごした創設者ロバート M. リー(通称ボブ・リー)の、アフリカに対する愛と敬意が込められています。ボブはアフリカで、密猟によって野生動物が危機に瀕している現実を知り、いまから50年以上も前から、環境保護を訴えていました。その後もボブは、世界各地を探検し、パミール高原での「パミール・アルガリ」の発見をはじめ、野生動物と自然への関心を深めていきます。その熱意は、中国政府を動かし、パミール高原に野生動物保護区が設立されたきっかけにもなっています。 つまり「牙のない仔象」のロゴマークには、大自然とともに歩んできたボブ・リーとハンティング・ワールドの哲学が表現されているのです。 そのハンティング・ワールドが、現在もっとも気に懸けているのが、東南アジア・ボルネオ島の現実です。ここでは、ゾウやオランウータンなどの野生動物が、いままさに危機に瀕しているのです。
世界で3番目に大きい島のボルネオ島は、「野生動物の楽園」と呼ばれ、世界の野生動物愛好家や研究者を魅了してきました。オランウータンがこの島とスマトラ島にしか棲んでいないことがよく知られているほか、世界一小さなゾウとして知られる島固有のボルネオゾウもここに暮らしています。 そのボルネオ島では、1990年代に、アブラヤシ農園の急速な拡大が始まりました。いまでは見渡す限りの農園が地平線の向こうまで広がり、至る所に加工工場も建設されています。開発は驚くべきスピードで進んでおり、1980年からの25年間で、ボルネオのサバ州の熱帯雨林の面積は25%も減少したとされています。 森の野生生物たちは棲息地域を次々に追われ、わずかに残された森のなかで窮屈に生きていかなくてはならなくなっています。その結果、食料難による個体数の減少や、孤立した地域で交配が起こるので遺伝子の多様性が失われるといった、棲息環境の悪化が深刻な問題になっているのです。 ところが、こうした事実は、世界の人々にはほとんど知られておりません。アブラヤシから搾り取られるパーム油は、スナック菓子やインスタント食品など、生活のいたるところで日々使用されています。世界中の人々がボルネオ島のパーム油の恩恵を受けているのですが、それがボルネオの自然や動植物の犠牲の上に成り立っていることを知る機会はないといってよく、いま、この瞬間にも、森林の減少はなお続いています。
絶滅危惧種であるアジアゾウの仲間 © SARAYA
ボルネオ島のキナバタンガン川上空の写真。プランテーションが川沿いまで迫っている。 © SARAYA こうした状況を改善するために、ボルネオのサバ州野生生物局、企業、農園主などが手を組んで、「ボルネオ保全トラスト」(BCT)が2006年に設立されました。JICA(国際協力機構)の野生生物生息域管理専門家としてボルネオに派遣されていた坪内俊憲氏を事業責任者として迎え、森と森を分断している土地を買い取り、野生生物が往来できる道を回復させる事業を始めました。「緑の回廊計画」と名づけられたこのプロジェクトは、2008年に初めて2ヘクタールの土地の入手に成功。しかし、目標とする2万ヘクタールの土地を購入するには、200億円以上の資金が必要になるといいます。まさに、多くの人々の関心と協力なしには到底実現できないプロジェクトなのです。
「サバ州政府 観光文化環境省 野生生物局」へ野生生物の救出用に贈呈した四輪駆動車と調査船 「人間と自然との共生」をブランドテーマに掲げるハンティング・ワールドにとって、こうした自然環境の危機は見過ごすことのできない問題です。 そこでハンティング・ワールドでは、2008年から、ボルネオ保全トラストへの支援を本格的にはじめました。チャリティーグッズの販売をはじめ、トークショーや写真展などのイベントを開催することによっても、環境保全の大切さを訴え続けています。 その中心的な活動となるチャリティーグッズ販売は、バッグからはじまり、さまざまなアイテムとして広がりを見せています。それらの売上の1%をBCTに提供することで、現地の活動への具体的な支援も行なっています。 ボブ・リーはこれまで、自然への愛着を、ハンティング・ワールドのコレクションという形で表現してきました。そこには、大自然のなかで本当に必要な機能があり、デザインのひとつひとつにも、自然へのメッセージを込めています。人間と自然がかかわりあい、ともに発展していく「人間と自然との共生」、それがブランドポリシーだからです。 ボルネオの保全活動にかかわっていくこともその一環です。ハンティング・ワールドのチャリティー活動は、自然を愛するブランドとしての使命なのです。 |










